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2025年6月 5日 (木)

注意資源

 タダノ教授と呑んで懇談していたときのことである。やはり古希をすぎると、小生と同様に、認知力が落ちたのを時々感じるというのだ。年齢からくる認知力や、注意力が劣ってくるのは仕方がないと諦めていたのである。タダノ教授によると、この注意力(認知力)には、人それぞれ限度があるというのだ。2002年にノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カールマンという学者が注意資源という考え方を提唱したというのだ。

 

 注意力には、限度があるという考えなのだ。齢を取ると、確かに注意力が落ちるのは、自らの経験でよく分かる。現役時代は、3~4つぐらいの仕事を並行して、当然のように処理していたのだ。最近は、一つの仕事ならば、十分に集中できるが、3つも4つも並行してはできない。これが普通なのだろうと思っていた。ところが、この「注意資源」という考え方というのは、チョット違う。注意力には限度があるというのだ。一つのことに集中できるのは、個人差があるものの90分程度が限度であるという。複数のことを同時になろうとすると、集中力が分散されて、注意力は枯れてしまうという理論である。確かに経験からも、納得できる。ただ、この理論の良いところは、注意資源は復活できるというのだ。森林を散歩したりなど、自然を相手にすることで癒やされる。そうすると、復活するというのだ。時々リフレッシュすればいいというわけだ。

 

 聖徳太子は、7人を相手にして、話を聞き、それぞれに対して、的確に回答したという。すごい認知力と集中力だ。つまり、注意資源がたっぷり有ったということだな。小生のような普通の人間は、せいぜい2~3人の話を聞くのが精一杯だし、古希をすぎると、そもそも聴力が落ちてくる。これも注意資源が減ってきたのかもしれない。

 

 しかし、一方、近くの図書館では、10時オープンと同時に、「ド、ド、ドーッ」と、隠居中のご老人(?)が数名入場してくる。そしてすぐに新聞掛けのところに行き、当日の新聞を2~3ほど持って、ベンチや、ソファに座り読み始めるのだ。まさに一心不乱であり、これを日々のルーチンにしている人たちなのだ。午前中いっぱい(時には午後も)読みふけっているのだ。「この人たちは、すごい集中力だな」と、感心するのであった。注意資源が、まだまだ落ちない人なのかな。と、思っていたが、どうやら、自宅で相手にされない隠居したオッサンの都合の良い行き場所となり、時間つぶしに利用しているのであった。家にいて、カミさんや家族から、「濡れ落ち葉(まとわりついて離れない)」など、と、言われるよりマシなのかもしれない。

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