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映画・テレビ

2025年5月30日 (金)

Mr. Baseball(映画)

 米国で、英語をなんとかものにしようとして、ハリウッドの封切り映画をひたすら見たのである。そして、見始めてちょうど1年目だ。なんとかヒアリングの能力が少しは、上がったかなと思ったときに見た映画が、Mr.Baseballであった。何しろ、ロケーションが、名古屋なのだ。そして、中日ドラゴンズのフランチャイズがその会場なのである。何気なく英語の勉強のために見た映画であった。何しろ米国に住んで2年目のことだから、必死だったのであった。この映画は、米国ではとても人気があったのだが、日本では、さっぱりだったと聞いていいる。

 

 ストーリは、単純であった。

主人公のジャック・エリオットはMLBのニューヨーク・ヤンキースの選手だが、欠点があり、成績が上がらず、トレードされることになったのだ。それが、日本の中日ドラゴンズというわけだ。主人公の役は、トム・セディックだ。小生も彼のファンであった。とくに「私立探偵マグナム」という、シリーズ物を見ていたのである。ジャックには、弱点があり、そこを突かれると、全く打てなくなる(空振りばかり)のだ。

 

 映画自体は、コメディとして気楽に見ることがアメリカ人にはできるだろうが、小生は、英語を何とかモノにしようと必死なのだった。それでも、この映画は、日本の風物・文化を誇大に茶化している。今ならば、大谷翔平や、今永、そしてダルビッシュや、イチローなどの日本選手が、大リーグで、活躍しているので、日本の野球に対して、米国人は、見下すようなことはないだろうが、今から30年前は、日本のプロ野球などは、米国にとって、リトルリーグのような扱いなのだ。今は、バンテリンドームナゴヤが、フランチャイズだが、 当時の中日ドラゴンズの本拠地は、名古屋であり、ナゴヤ球場なのだ。(ちょっと懐かしい。)

 

 映画では、中日ドラゴンゴンズの監督は、高倉健が内山という役でやっていた。感心したのは、彼の英語がとてもスムーズで聞きやすかったのだ。(かなり練習したのかもしれない。)電車の中で、平気でエロ雑誌を読んでいる人がいたり、素麺をズーズーと音を立てて、食べるシーンなど、日本を野蛮な国という扱いであった。また、茶碗に山盛りにしたごはんに箸を立てて、テーブルを離れようとしたジャックを慌てて、その動作を止めさせようとするなど、随所に小生から見たら、日本人と、日本文化を茶化して笑いを得ようとするシーンが目立つのだった。

 

 英語の練習という意味合いがなく、名古屋がロケ地でなければ、米国でこの英語を見ることがなかったろう。とにかくひどい偏見の映画だったのだ。日本では、さっぱり受けなかった映画だということも納得できるものだ。

2020年7月10日 (金)

アバウト・シュミット

  最近、本屋に行くと、定年や、定年後に関する書物が結構目につく用になってきた。”第二の人生設計”、”定年後の生きがい”、”健康で長生き人生”などだ。少々食傷気味になるのだが、それだけ需要が多いということなのだろう。そして、”人生100歳まで頑張る”などが平然と言われ、そしてそうなってしまうから怖い。そのため、超高齢化社会を迎える準備を自治体や、国の行政機関が準備しはじめているのである。定年や、熟年を扱ったテレビドラマや、映画もヒットするなど、世間の関心の高さが分かるというものである。 

 

  ひと昔前などは、「老害」などと言われて、毛嫌いされる65歳以上の集団(そろそろ、小生と、タダノ教授はこの集団の中に入りそうである)であったのだが、人口の25%以上を占める割合になると、シルバーパワーなどと言われ、圧力団体として政治力まで発揮しているのだ。一方では、老後は、のんびりと過ごしたいと思いつつ、結局それが出来ない老人が多いのもまた現実なのである。 

 

 2016年に公開された山田洋次監督の映画「家族はつらいよ」では、主人公が誕生日をむかえる自分の妻に「何がほしい」、と、訪ねたところ、「離婚届にハンを押してほしい」と言われてしまう。この熟年離婚騒動をコミカルに描いた作品であり、主人公の橋爪功のキャラクターと相まって、ヒットしたのである。すでに定年退職している主人公が、自分の思うように家族が動いてくれなくて、若干の悲哀を感じるのであるが、わがまま気ままで、頑固に今まで生活してきたツケが回って来たのである。山田洋次監督は、続編を昨年作り、これも前作同様にヒットしたのであった。両品とも日本アカデミー賞を受賞している。ちなみに小生は、最初の一作目をビデオで見ただけだ。続々編もできるようである。 

 

 ハリウッド映画では、2002年に公開された「アバウト・シュミット」がこの定年前後の悲哀をよく著していた。主演は、ジャック・ニコルソンだ。本作で、ゴールデングローブ賞の主演男優賞を受賞しているのだ。保険会社の会計士として、66歳まで働いて、退職にあたり、送別会を開催してもらっているところから、始まるのだ。この場面から十数分間は、日本にて大手の会社に勤務し、定年を迎えた人なら釘付けになるだろう。今まで、可もなく不可もないそこそこの平和で幸せな会社生活という半生を送ってきた主人公には、定年後の生活に馴染めない。趣味もなくや定年後の生きがいなども考えたこともない。

 

 送別会の時にいつでも職場に来てかまわないと言ってくれた部下の言葉を信じて、以前の職場に行くと、今では偉くなった部下は、言葉と裏腹に、『鬱陶し奴が来てくれたもんだ。早く帰ってくれ。』と言う態度をとるのだ。段々と社会に対して怒りを感じるのである。そんな中、妻が急死し、ますます、自堕落な生活になっていくのだが、妻の遺品を片付けているうちに、自分の親友と昔、妻が浮気していたのが分った。そして親友とも決別する。すべてを投げ捨てて、トレーラハウスを買って結婚を予定している娘の所に向かった旅に出るのだが、娘からは、用がないから式の当日に間に合うように来てくれるだけで十分と言われてしまう。せっかく娘の結婚準備を手伝うつもりだが、断られたのだ。

 

 娘の結婚式の前日に、婚約者の家族と夕飯を食うのだが、あまりにの低俗で現品な振る舞いなので、娘に結婚を止めるように忠告するのだが、逆ギレされる。それでも結婚式当日には、意に反して、婚約者の家族を褒め称え、娘の幸せを願う父親の役を演じたのだった。その後、トイレで、人知れず悔しさをみなぎらせるのであった。

 

 この映画のエンディングもまた素晴らしい。このシュミットは、生きがいを見つけ、晴れやかになるのである。形を変えたハッピーエンドであった。どことなくハリウッドらしい。

 

 日本人の定年を迎えた、または迎えつつあるオッサンの殆どは、どことなく感情移入できる映画であろう。

2019年4月20日 (土)

グリーンブック

 毎年2月末に毎年開催されるアカデミー賞の授賞式が行われる。2019年は何故かボヘミアン・ラプソディの人気が日本では、すごかったのだが、5部門に、ノミネートされ、そのうち音響編集賞、録音賞、編集賞、主演男優賞4つを獲得のだからすごい。しかし、各賞の中では、作品賞こそが、最も栄誉ある賞だと、思っているのだ。今回の作品賞としては「グリーンブック」がオスカーを取ったのであった。それだけではなく、脚本賞と、助演男優賞を獲得したのだから、間違いなく、今年度最高の映画ということだろう。

 

 このグリーブックでは、日本においては、アカデミー賞が決まってから、封切られたので、一部の専門家と、米国へ見に行った人ぐらいしかそれまでは、ほとんどわからないのであった。日本での封切りを待って、小生は早速見に行ったのである。なかなか立派で、しっかりとした作品であると感じたのだ。小生は、映画評論家ではないので、エンターテイメントとして、この映画を見れば、それで充分満足なのである。流石にアカデミー賞を取るに値する作品であることが十分にわかった。特に、脚本が素晴らしい。

 

  米国滞在中は、3年間で、380本の封切り映画を見たのである。流石にこのくらい見ると、どの作品の評判がいいのか、そして、どの役者の演技が素晴らしいのかが、それとなく分かるようになるから面白い。アカデミー賞にノミネートされるであろう作品、女優、男優などを予想するのだが、あまり外れない。もちろん、日本人であるので、英語の問題を抱えているのは仕方がない。スーパーインポーズなどまずない。そして特に、軍隊モノと、刑事モノは俗語だらけ(だから楽しい)である。最初のうちは、内容は理解などできるはずがない。

 

 しかし、不思議なもので、我慢して、100本くらい見ると、少しぐらいは、俳優の台詞についていくことができるのだった。(もちろん解らないことが、6割以上あるのだが・・。)特に、アカデミー賞を獲得した映画は、比較的わかりやすい英語なので助かる。「逆は、真ならず」なのであるが、わかりやすい英語であれば、アカデミー賞の候補になるだ。このような見方で、アカデミー賞の授賞式での発表を見るのも楽しいものである。

 

 英語の練習教材に、映画を利用することの良し悪しはあるのだが、CNNのアナウンサーが話すきれいな英語だけでなく、街角で、普通のオッサンやオバハンが話す英語になれるためには、映画が最適であった。また、見方によっては、映画のロケに利用された場所が素晴らしいときは、観光案内としての役割を見出すのであった。

2019年4月11日 (木)

0011ナポレオン・ソロ

 201611月に、ロバート・ボーンの訃報がネットで報じられた。彼のマネージャーが明らかにしたところによると、白血病だったと言う。享年83歳であった。1960年代のアメリカ人気テレビ番組”0011ナポレオン・ソロ”の主人公で、日本でも人気を博したのであった。タダノ教授も、小生と同様に、中学校時代には、この番組始まると、テレビにかじりついていたと言う。何しろ、アメリカのTV番組全盛の時期であり、その中でも、この番組は人気の一つであった。白黒であり、もちろんのこと、日本語吹き替え版を楽しんでいたのである。日本語吹き替えは、声優の矢島正明であった。

 

 ナポレオン・ソロの相方が、イリヤ・クリヤキンであった。デビット・マッカルムがこの役であった。若い女性の心を鷲掴みするくらい、イケメンの格好いい役であった。当時は、主役のロバート・ボーンよりも人気があったのかもしれない。2018年現在、デビット・マッカルムは、84歳なのだが、現役で頑張っているのだ。米国で、最も人気のあるTV番組の一つに、NCISというのがある。米国人もが認めるロングランの”おばけ番組’だ。犯人探しをやる番組には違いがないが、海兵隊あがりの主人公がチームのリーダーとなって、難事件を解決していくという内容だ。この番組の中で、レギュラー出演しているのがデビット・マッカルムであり、異彩を放っている検視官”ダッキー”の役だ。なかなか風刺のきいた彼のセリフが、それなりに面白いのである。

 

  デビット・マッカラムはNCISでは、ドナルド・マラード博士(ダッキー)役で、異色の輝きを2003年から、現在まで、示しているのだが、一方、ロバート・ボーンは2004年から、2012年まで英国BBCの番組である”華麗なるペテン師たち”でレギュラー出演していたのだ。”華麗なるペテン師たち”や、”NCIS”を楽しんでいる若者は、多いのだが、0011ナポレオン・ソロを知っている人はどのくらいいるのだろうか。

 

 

 結局世代の移り変わりを目の当たりに見て、Good Old Daysを楽しんでいるオッサンのちょっとした優越感なのかもしれない。

 

 

2018年8月 4日 (土)

BLEACH

 日本が世界に誇る3大漫画(多分に、独断と偏見で選ぶのだが)というと、ONE PIECE”、”NARUTO”、それに”BLEACHだ。オジサン世代には、縁もゆかりも、そしてその面白さもわからないかもしれない。ONE PIECEは、すでに、36000万部を売り上げており、まだ掲載が続いているのだから、今後も売上が伸びるだろう。ダントツの1位だ。NARUTOと、BLEACHは、完結編が出ている。NARUTO13500万部を売り上げ、BLEACH9000万部の売上を世界トータルで、記録しているのだ。 日本の漫画の素晴らしさは、世界が知っているということかな。

 

 漫画が人気になると、掲載雑誌のみならず、単行本とされたり、はたまた劇場映画やTVシリーズになるのは、流れとして自然である。興行として成功する場合もあれば、失敗の場合もある。そんな中で、BLEACHが実写版として劇場映画になったのである。720日に封切られたのであったのだが、早速翌日21日に、映画館に向かったのであった。大人1800円だが、シニア割引(複雑な気持ち?)で1100円にて楽しむことができる。

 

 そもそもこのBLEACHであるが、2001年から少年ジャンプにて掲載が始まり、2016年に完結したのである。672であり、単行本では4の発行なのだ。1971年生まれの久保帯人の原作である。もちろんのことこれだけの人気漫画なので、TVアニメ化(2004年)はされるし、映画化(2006年)もされている。

 

 今回は、実写版としての映画なのだ。もちろん、原作通りにストーリーが展開されていたならば、とても2時間前後に収まりきれないから、多分に、映画版としての手直しがされているはずだ。今回は、1巻から、第8巻までに相当する内容である。

 

 封切り2日目に、見に行ったのであるが、観客は、20名前後で、会場はガラガラだった。テレビなどでは、けっこうな予告をたくさん流していたのだが、実際に映画館に見に来る人は少ない。内容からして、若者向きと思っていたものの、観客には、オッサンや、おばさん、そしてもちろんギャルと兄ちゃんもいるのだった。少年ジャンプでは、連載が始まって時に夢中になった世代は、いまでは40代または、50代となっているから、特に珍しいわけではないのかもしれない。

 

 ストーリーは、とりあえずわかりやすく展開されている。キャストとしては、朝ドラの人気者で現在の若くて人気者を集めているので、もうすこし観客がいても良さそうな気がした。福士蒼汰(”あまちゃん”の種市先輩の役だった役者だ)と、杉咲花(”とと姉ちゃん”での三姉妹の末っ子の役だった)のファンであったら、嬉しい限りだろう。主人公の高校生と、その相手役である。

 

 この映画で、特に目を引いたのは、VFXだ。VFXは、コンピュータグラフィックスまたは合成処理によって実写映像を加工することである。撮影現場での視覚効果がSFXであり、VFXは撮影後に、CG(コンピュータグラフィック)を駆使して、付け加えられた視覚効果を言うのである。このVFXが素晴らしい。画面に現れる動きが、実写のように真実味を醸し出しているのだ。これは、素晴らしい。

 

 大人(オッサン)が見ても、十分に楽しめる映画の出来であった。いつもは、ハリウッドの映画をメインに楽しんでいるのだが、ときにはこのような日本映画もまたいいかもしれない。

2017年5月 5日 (金)

もう一人のカラス

  前回は、マリアカラスについて、思いつくままに述べた。

http://dogwood.air-nifty.com/tokudaimajin/2017/03/post-4941.html
カラスで忘れちゃいけない人が、もう一人いる。アントン・カラスだ。このカラスという名の響きで、思い出すのは、のこ二人である。(「カラスの勘三郎」(?)は、もっと有名だ。何しろ「NHKのみんなの歌」に出たくらいだ。)

 

  彼を有名にしたのは、キャロル・リード監督の「第三の男」だろう。このBGMとして用いられたのは、アントン・カラスが、演奏した『チター』という楽器だ。音色は、大正琴を少し柔らかくしたような感じである。全編を通して、ずーっと、チターの演奏が流れているのである。幾度となくリバイバルされた映画である。テーマ曲は、あまりにも有名でり、ウィーンを舞台として、描かれている。主演のハリーライム役をやったオーソンウェルズが上手い演技であった。 アンナ役のアリダ・ヴェリも素晴らしい。特にラストシーンのウィーン共同墓地を彼女が、てくてくと歩くのが印象的であった。

 

  この映画は1948年に封切られ(日本で封切られたのは1952年)、小生がまだ生まれる前である。そして、小生が、映画館で見たのが今から35年くらい前なのだが、いまだに、この映画のファンが続々と生まれてるという。おそらく20世紀最高傑作の映画の一つと言っても過言ではないだろう。映画は、そのスクリーンは、もちろんのこと、バックで流れるチターによる”第三の男”(正確には”ハリー・ライムのテーマ”)の演奏が寄与していると思うのだ。

 

  ますます持ってして、アントン・カラスのことに興味を持つのであった。いろいろと調べてみると、興味深いことがわかった。彼のことや、チターのこと、そして、第三の男については、いろいろと本が出ている。 彼は、結構な苦労をして、寂しい思いをしている音楽家であった。 立派な演奏家であり、音楽家であるが、当時のウィーンでは、評価が低いという。ハンガリー移民の出と言うことで、差別をも、受けていたようだ。ウィーンで生まれて、生活のために、12歳で、居酒屋にてチターを演奏していた。たまたま演奏していたときにキャロル・リードに認められたという。”第三の男”が大ヒットし、一生食うに困らない財産を築いている上に、ローマ法王の前で演奏もしているのだ。カトリックの彼としては、最高の栄誉のはずだ。

 

 しかし、チターという楽器は、居酒屋の演奏楽器としてしかの評価がない。また、ウィーンを舞台にした”第三の男”は、ウィーン市民には、評判が悪い。(なんとなく暗いイメージであることはわかるのだが・・・。)結構、市民から嫌がらせを受けたようだが、それにも懲りずに、彼は、ウィーンに住み続けたという。音楽家として、認められず(居酒屋楽器弾きの扱い)、音楽の教科書にも載らないチターの演奏家であった。 彼の演奏は、アルバムになっているので、今でも聞くことはできる。

 

 なんとなく日本の大正琴の扱われ方と似ている気がする。歌謡曲の伴奏楽器の扱いだ。そういえば、大正琴は、ちょっと大きな楽器店に行かないと見かけない。大正琴の演奏家の名前など浮かばない。そもそも、大正琴のことを若い世代は、どのくらい知っているのだろうか。

2017年3月15日 (水)

マリア・カラス

  伝説の歌姫といわれている。ちょうど小生の学生時代が終わる頃だったと思うが、このマリア・カラスが、亡くなったというニュースが流れたのである。オペラ歌手であったことは知っていたのだが、特に興味があるわけではなかった。エルビス・プレスリーが亡くなったときの方が小生にとっては、、大きかった。何しろ、受験生時代の深夜放送で、よく聞いたいたポップス歌手だったのだから。

 

Ph_02

 

 

  このマリアカラスだが、「どんなカラスなんだ。」という突っ込みで、当時テレビのお笑いで、話題にされていたのを覚えている。東京都が、家庭用生ゴミのカラスによる散乱で、悩まされていたときなので、当然なのかもしれない。

 

  彼女の本名は、マリア・アンナ・ソフィア・セシリア・カロゲロプーロスという長ったらしい名前だ。とても覚えられない。両親がギリシャ人で、彼女が生まれる直前にニューヨークへやってきたのだ。まさに移民の子である。そして、1977年に心臓麻痺で53歳で亡くなるのであるが、1964年には、実質引退していたので、すでにレジェンドの世界に入っていた。

 

 太っていて、分厚い近眼のメガネをかけて、不器用で人気のない「醜いアヒルの子」と自伝で言っているのだからわからないものだ。カラスが、スターの座に上がる過程で、かなり減量して、偉大なオペラ歌手として変身を遂げたのである。そして、ギリシャの船舶王であるオナシスとも浮き名を流したのであった。

 

 小生がなぜカラスに興味を持ったかというと、彼女の減量にある。ご多分にも漏れず毎年、花粉の季節がうっとうしいのだ。この花粉症は、いろいろと原因(遠因)があるのだが、文明病の一つである。 日本人が清潔になったために発症したと一部ではいわれているのだ。昭和の時代、今ほど清潔感がなかった時に、大抵の日本人は、お腹に回虫を養っていた。その世代では、学校で、虫下しを飲まされる児童がほとんどである。日本人は、いってみれば、寄生虫と、共存していたのである。そのおかげで、花粉症にならなかったらしい。(この説に疑問を持つ人も結構いる。)

 

 戦後70年もたった今では、世界で最も清潔好きの国民に日本人は、なったのである。とてもでないが、寄生虫と同居している日本人を探すのが今では、大変になってきた。 ところが、中には、奇特な方も居るようで、意識的に、寄生虫と共生したがっている人もいるらしい。もちろん、花粉症の対策になるかもしれないが、ちょっと気持ち悪い。お腹の中で、寄生虫を養うと、腹いっぱい食っても、寄生虫が、食ってくれて、太らないらしい。特に、サナダムシ(日本海裂頭条虫、広節裂頭条虫、無鉤条虫)が、効果があるということで、このマリア・カラスが、ダイエットのためにやったと言う。(本当かどうか?)

 

 マリア・カラスは、105kgあったのが、55kgまでになったと言う。サナダムシダイエットの成果である(らしい)。このダイエットは、副作用が強く、ひょっとしたら、彼女の死因である心臓麻痺に関係しているかもしれない。

 

 最近、ハリウッドの封切り映画で、「マダム・フローレンス」というのが話題になった。オペラ好きだが、「ど音痴の金持ちのおばちゃん」の実話を元にして脚色され、メルリストリーブと、ヒュー・グラントがいい演技をしている。 マダム・フローレンスの歌うアリアは、とてもでないが、マリア・カラスと比べてはいけない対極にあるものだ。このマダム・フローレンスの名前を聞くと、マリア・カラスの歌声が懐かしく思えるのは、なぜなのだろうか?今度、オペラ好きのタダノ教授と話し合ってみることにした。

2015年11月10日 (火)

幸福の黄色いハンカチ

  高倉健の1主演映画の一つが、この「幸福の黄色いハンカチ」である。
 ご存知、武田鉄矢、桃井かおり、倍賞千恵子、それに渥美清が共演した 山田洋次監督の代表作である。1977年に公開されて、第一回日本アカデミー賞を総なめにした映画でもある。高倉健が任侠路線から、人情路線へ取り組んだ最初の映画であり、武田鉄矢が、俳優として、初めて出演した映画でもある。
 11月10日は高倉健が亡くなって、1年目となる。昨年、テレビでもこの映画を放映していたので、見た人も多かったろうと思われる。もちろん、封切りでの観衆もまた多かったし、ビデオ(VHSだ。当時は、DVDなどない。)で見た人も多いだろう。
 当時、小生は、就活中であり、とても映画など見る余裕はなかった。(カミさんは、封切りを見たらしい。)
 
 ただし、この映画が封切られる5年前に、この映画のもととなる話を知っていたのである。18歳の時であある。当時愛読していたリーダーズ・ダイジェスト日本語版(今はとっくには廃刊となっている)の1972年3月号に「黄色いハンカチ」として掲載されているのであった。
 
 
刑務所を出所した男が故郷に帰ろうとしていた。男は出所前に手紙を出し「もし、自分の帰りが望まれるなら、木の幹に白いリボン(大元は、白いリボンなのだ)を結んでおいてほしい」と頼んでいた。男は汽車に乗って故郷の近くまで来るが、勇気がなくて、車中で知り合った男に木を見てもらう。木の幹にはたくさんのリボンが結ばれていた
 
 「少しばかり感動的だな!」と、その時は感じていたのだ。もちろん日本語訳である。原文は、一年前である1971年に、コラムニストの
ピート・ハミルがニューヨーク・ポスト紙に、わずか5000語くらいの「ちょっといい話」という具合で、載せているのだ。 A4にして、わずか2ページあまりである。もっとも彼は、コラムとして載せただけであり、その大元(おおもと)の話は、1950年代の米国各地に広がっている伝承の一つだった。その時の原題は「Going Home」であった。
 なんとなく、記憶にとどめていたコラムであった。

 
 1973年にドーンというアメリカのポップスグループが、この伝承を元に、「幸せの黄色いリボン」(原題:Tie a Yellow Ribbon Round the Ole Oak Tree)をリリースし、大ヒットになったのだ。1973年5月には3週間で3百万枚のセールスを記録しています。日本では、キリンビールのテレビコマーシャルでも使用されたのである。
 
 当時19歳であった小生は、深夜放送で、幾度もこの歌を聞いたものである。もちろん、英語はわからないが、内容は、解っていたし、聴きやすいポップスであったのを覚えている。この曲はヒットしたが、面白く無いのが、ピート・ハミルのオッチャンだ。 書作件侵害で訴えを起こしたのだあるが、昔からの伝承であることが判明して取り下げざるえなかったとのことだ。
 
 リーダーズ・ダイジェスト1978年6月号で、再掲載されたのである。ひょっとしたら、映画が日本で大ヒットされたからなのかもしれない。
 
 その後、ピート・ハミルのオリジナルは、随筆集として、日本語訳がすでに販売された。 また、日本でも英語版が販売されていたのである。しかし、アマゾンで調べたら、定価が15,000円以上であるのでちょっともったいない。何とかこの「Going Home」だけの原文を、ゲットできないかとズーッとネットサーフィンして、ついに見つけたのである。PDFファイルとして、ネットにアップロードされていたのをやっとのことで、見つけることができた。 わずかA4用紙1ページ半であった。
 
 原文を読んでつくづく感じたのは、「わずか5000語のコラムだけで、よくまあ、山田洋次は、あれだけの映画を作れたものだ。」ということである。2時間近い映画にするのだから、その感性に敬服する。山田洋次が、リーダーズ・ダイジェストを読んでいたかまたは、ドーンの曲に感動を受けたのかどちらかであろうが、今となってはどっちでもいい。
 更にこの映画を元にハリウッドが、リメイク版をつくったのだから、すごいものである。このリメイク版は、DVDで売りだされているのだ。(アメリカ版木賃宿のクラークの役を桃井かおりがやっていたのには、笑っちゃった。)
 
 日本テレビが夏休みにやっている「24時間テレビ」のT-シャツが黄色いのは、この「黄色いハンカチ」によるらしい。ホントかな?
 合掌

2015年8月31日 (月)

マイ・フェア・レディ

 懐かしいオードリー・ヘップバーンの映画だ。彼女は、ヒロインのイライザの役だった。映画の中で歌われていた「踊り明かそう」を初めて聞いたのは、ソノシート(今はもう無いな。)だ。今で言う「口パク」だったとは、後で分かった。
 この原作は、バーナード・ショウ(94歳で没)の「ピグマリオン」であることを知ったのは、最近である。
  
 ピグマリオンとは、ギリシャ神話に出てくる若い王様だった。キプロスを治めていた。 理由はわからんが、女性不信に陥ってずっと独身を通してきたのだ。
 
 芸術面では彫刻の名手として知られており、ある時 美と愛の神アプロディーテー(ローマ神話ではヴィーナス)の姿をモチーフにして 自分の理想の女性であるガラティア(女性の名前)の像を彫りました。あまりに出来栄えが素晴らしく 自分で彫った像に恋をしてしまい、この乙女・ガラティアを妻に迎えたいと強く願って寝食も忘れるほど 毎日 丁寧に磨き上げたり 声を掛けたりする。これを見て深い想いに心を打たれた女神アプロディーテーが願いを聞き入れ、彫像は生きたガラティアになり、ピグマリオンの妻となる。
 
  「ピグマリオン・コンプレックス」「ピグマリオン効果」はこのピグマリオンの物語から名付けられた心理学用語である。


「ピグマリオン・コンプレックス」
  女性不信で彫像をこよなく愛したピグマリオンのように「男性が 現実の女性に興味を示さず、かわいらしい人形を溺愛すること」 あるいは「女性を人形のように扱い 自分の理想どおりの振舞いを求める性癖」を意味する。
  オタクのフィギュア愛好などが、これに当てはまるかな。偏執狂を題材とした映画「コレクター」等は、そのものずばりだ。

「ピグマリオン効果」
 ピグマリオンが毎日 熱心に彫像の乙女を見つめて人間になることを願い、ついに それが叶ったように、「期待を込めて見守っていれば、相手もそれに応えようとして 期待が実現する。」と、いう効果である。


 学生時代に、教育心理学を履修し、学んだものである。

 「ピグマリオンコンプレックス」は平たく言えば人形愛で、「ピグマリオン効果」は人に期待通りに動いてもらいたいという心理だ。
 
 マイ・フェア・レディでイライザが話す次のセリフが印象的であった。


 「ピカリング大佐は私をレディとして扱ってくれたので、彼に対して私はいつでもレディだけど、ヒギンズ教授は今でも私を花売り娘としてしか扱ってくれないので、彼に対してはいつまでも花売り娘である」
 (He always showed me that he felt and thought about me as if I were something better than a common flower girl.)
 

 試合の前に、監督や、コーチが選手に「かならず勝つ!勝利は、目の前だ!」
、『喝!』を入れるのは、ピグマリオン効果を狙っているのかもしれない。

2015年7月 9日 (木)

デロリアン

 1985年に封切られた、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を知っているね。人気がありすぎて、Part3まで出来たうえに、色々とパロディーにもなったのだ。もちろん3作とも小生は、楽しんだのである。しかし、アカデミー賞では、結局、音楽効果賞だけだった。スティーブン・スピルバーグが製作総指揮をとったのだから、楽しい映画になったのも当然かな。

 7月9日の読売新聞三面記事に、阪急電車京都線の線路を車が通ったので、阪急電車が上下線12分の遅れが生じたと報じられていた。73歳のジジイが踏切から線路に車で入ったという。「南方駅から崇禅寺駅」(阪急京都線をよく知っている人には解る。)まで、線路を車で、運転したというのだから凄い。このニュースを見た時に、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のデロリアンを思い出した。
 
 ネットで、このニュースを見ると、どうもデロリアンを思い出したのは、小生だけではなさそうだ。幸い大事に至らなかったが、当然、このジジイは、逮捕された。 以下は、関西版のWEB産経新聞の見出しだ。
 

“デロリアン”疾走の5分後に快速急行接近 2列車とすれ違い2駅通過し…あわや大惨事のむちゃくちゃ。
“デロリアン”運転の愛知の〝ドク〟を逮捕 往来危険の疑いで大阪府警 「どこから入ったか覚えてない」の危険度

「線路を車が走ってる?おいおいマジかよ」といった書き込みが相次いだ。目撃した飲食店の男性店員は「セダン車が時速30~40キロで火花を散らしながら走っていった」と興奮した様子で話した。線路上を乗用車が走行する様子は、米国の大ヒット映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で、異次元を旅するタイムマシンとして登場した車「デロリアン」を想起させたようで、「バックトゥーザフューチャーの最後のシーンを彷彿(ほうふつ)とさせる」といった書き込みもあった。

 このジジイは、三河から友人に合うために、ドライブしてきたというのだが、どこで、誰に、いつ会うのかは、わからないと警察では、答えているようだ。もみじマーク(なみだマーク)の車は、怖いな。近くに寄らないで、避けなくちゃいけないね。

より以前の記事一覧